お久しぶりです!春学期・新3年春ゼミがスタートしました。今回は、管理委員長を務める18期まふが担当します。
第一回ゼミでは、映画鑑賞会が行われました。作品は、『12人の優しい日本人』。三谷幸喜氏の脚本で1991年に公開された密室喜劇です。当時、陪審員(裁判員)制度のなかった日本で、仮に陪審員制が導入されたらという設定のもと、12人の陪審員らが議論を白熱させるなかで各人の性格や関係性、思考があらわになっていきます。
この映画では、「バイアス」が描かれている部分が何度も登場します。
え!?そんな部分あったっけ?
バイアス・・・やべ何の種類あったかな・・・
大丈夫、僕も映画を見ながら、バイアスの種類について復習していました(笑)
今回は、僕の中で印象的だった登場人物の「バイアス」について深堀りしていきたいと思います。
- 自信過剰バイアス 自分の知識や経験は非常に優れていると過信することにより、状況の正確な判断や対応ができなくなること。
これは、冒頭に新聞を広げていて銀行員だと語る(本当は歯医者だった)男にみられました。彼は、「人間には二つ種類がいて、命令する側・従う側。俺は今までの人生で間違った判断をしたことがないから、俺に従え」というような発言がありました。これはまさしく、自信過剰バイアスですね。
- 入手容易性バイアス 人は身近にある情報に基づき判断してしまうことでバイアスがかかることを意味する。 例えば、自動車事故の方が飛行機事故より確率的に発生する割合が高いにも関わらず、自動車を運転するよりも、飛行機に乗ることを怖がる人が多く存在する
ひとつ例として、「おばさんは余計な話を付け加えがちだ」から、証人のおばさんの発言も過剰に話を持っているだろうというシーンが見られました。
また、最も印象的だったのは最後のシーンでしょう。被告は有罪であると主張し続けた男性は、議論の最中で被告人の女性と自分の妻を無意識にも重ねていました。彼は、夫婦関係がうまくいかない苛立ちを被告人に重ね合わせ、「こういう女はどうせこんな行動をとる」というバイアスが無意識に存在したまま、有罪の主張をしていたのではないでしょうか。
今回のブログはここまでとなりますが、他にも様々なバイアスのシーンが見られたと思います!
頭を使って映画を見る機会は、僕としては数少ない経験でした。今後、娯楽として映画を見るときも、登場人物の生い立ちや状況に気を配れると深く没入した映画体験ができるのではないかと思います。
2023年4月16日 18期 まふ(真船友樹)