横浜国立大学 経営学部

【ファシリのブログ】輪読第4回第5章 上手に失敗して、早く成功する

山岡ゼミナール - 横浜国立大学 経営学部

こんにちは!19期のななさです。
今回の輪読は、前回ののんに引き続き1人ファシリでした。私は「失敗から学ぶことの難しさを実感してもらう」ことを目的としてファシリを作っていきましたが、話の持っていき方や全体の流れなど、どのような形のファシリにすればみんなの理解が深まるか考えていく中でかなり苦戦するところがありました。特に苦戦したのはGDの設定です。
今回のファシリでは、ボーイング社の二度にわたる大規模な墜落事故を題材にGDを進めてもらいました。GD①では、「なぜボーイング社は1度目の墜落事故から何も学ぶことが出来ず、2度目の墜落事故を起こしてしまったのか」というテーマで話し合ってもらいました。ここでは、失敗から学ぶにあたって組織に属する人々が直面する様々な問題や障壁について考えてもらいたいという意図がありました。そしてGD②では、GD①で出た問題や障壁をもとに「ボーイング社が失敗から学べる組織になるためには具体的にどのような取り組みや組織的変化が必要か」ということについて話し合ってもらいました。

このGDを設定するにあたって、懸念点が2つありました。
1つ目は、教科書内容にどれくらい沿ったGDを行えるかという点です。教科書はあくまでも理論が中心で話が進んでいきますが、企業の実例と教科書の理論を照らし合わせると必ずしもすべてが綺麗に対応するわけではありません。企業の実例を用いたGDにありがちだと思いますが、教科書内容からは少し外れた論点が出てくることによって輪読該当章で学ぶべき内容とはずれた結論に帰着してしまうのではないか、というのが最大の懸念点でした。事前打ち合わせでもその点についてご指摘いただいたため、GDが始まる前に「今回はボーイング社内部の問題についてのみ考えてほしい」ということを明示したり、ヒントとして教科書の中で参考にしてほしい箇所の提示を行うことによってGDの方向性をある程度限定することにしました。さらに、まとめでGDの答え合わせを行うという形をとることによって、ボーイング社の実例がどのように教科書とリンクしているのかをファシリ側から改めて提示することによって納得感のあるGD・ファシリになるよう試行錯誤しました。
2つ目は、GD全体の具体性をどこまで求めるのかという点です。これは特にGD②を設定するうえで迷った点なのですが、「具体的な取り組み」だけだとあまりに方向性が定まらず、GDそのものが進めづらくなってしまうのではないかと懸念していました。そこで、私はゼミ生の立場を「製造部門のマネジャー」に設定することによって全員の視点をある程度揃えようと考えました。この設定によって経営陣や従業員ではなく中間管理職に注目してもらえたため、まとめまでの流れを綺麗に作ることが出来たのではないかな、と思います。
実際にGDを終えてみて、懸念点の2つ目であげたGD②におけるゼミ生の立場の設定の仕方について少し反省点が残る結果となりました。教科書内で中間管理職が果たすべき役割があげられていたということもあり、今回のGDではそれにならった設定を行いましたが、それによって議論の幅が大幅に狭められてしまったのではないかというFBをいただきました。せっかくの実例を用いたGDだったので、もう少し議論の幅を持たせられるような設定が出来たらより有意義なGDになったのではないかと思います。

初めての1人ファシリで不安な点も多かったですが、何はともあれ無事に終わってほっとしました。最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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