横浜国立大学 経営学部

【管理のブログ】2022年12月8日のゼミ

山岡ゼミナール - 横浜国立大学 経営学部

こんにちは、17期のあらティーです。2022年度秋学期第9回になる、12月8日のゼミについて振り返っていきます。最後にクイズを用意しているので、ゼミ生は学習内容の理解度確認のために、それ以外でご覧になっている方は山岡ゼミの学習内容に触れてもらうために、以下お目通しの上ぜひチャレンジしてみてください。

今回扱った内容は、「組織学習」でした。長期的な適応のために、組織およびその成員の行動を変容すること等、様々な捉え方がされる組織学習について、その学習の主体は何なのか、どのように学習するのか、そしていつ・どこで学習するのか、といったことをグループディスカッションやケース紹介を通じて学びを深めました。

グループディスカッションでは、山岡先生のレクチャーと、ゼミ生への問いかけを通じて、「チーム学習を左右するリーダーの条件」について考えました。心臓外科チームの複数の事例を見ながら、学習が早いチームの特徴には何があるか、チームにはどういったメンバーを参加させるべきか、そしてチーム学習を促すためにチームのリーダーはどのような行動を取るべきか、という複数の問いを受けて、ゼミ生が多種多様な意見を出していました。また、山岡先生のレクチャーでは、リーダーの行動として理想的なものが3つ、最終的に示されましたが、一方でそれらの妥当性に関する疑問が、ゼミ生が考えるべき宿題として残る形になりました。

ケース紹介では、18期のはるかとえびちゃんが、組織学習の方法の中でも、パラダイム(物事の背後にある価値観や規範・共通理解)を変えることに関する事例を紹介しました。時代とともに様々な商品のニーズが移り変わる中で、自社製品を既存の分類・固定観念に留めることなく、新しいジャンル・コンセプトを生み出し、事業化していく。その過程でトップ層の支援行動が加わることによって、新しいパラダイムが確立されていくということが詳細に示されていました。

それ以外にも、4分プレゼンでは18期のみおが「一人暮らしで住みたい物件」についてのアンケートをしたり、17期のさえが「蛙化現象」について詳しく講釈したりしてくれました。また、今回のゼミからランダム交流会と称して、メンターやGDのグループ以外のメンバーとのコミュニケーション・振り返りの機会が設けられました。ゼミ全体について様々なメンバーと話すことで新たな刺激が生まれたようです。

個人的に印象に残っているのは、まず、山岡先生のGDのスタイルです。グループディスカッションの括りではありますが、あえてグループ分けすることなく全体で議論をするというのは普段とは違って新鮮でした。先週の中間戦略会議と似ていますが、全員の意見をその場で聞くことが出来て面白かったです。ゼミ生の発言をまとめながら、意見を分類して、レクチャーに繋げていく山岡先生のファシリテーションも、ゼミ生は参考にするべきところが多かったでしょう。また、ケース紹介は担当2人の工夫が数多く見られる意欲的なものになっており、楽しく、学びあるものでした。18期だけでなく17期も良い刺激を貰ったと思います。

 


 

さて、ここでクイズです。
Q1.組織学習の実現方法として基本的な4つの考え方とは何でしょう?
Q2.学習する組織を達成するために習得が必要な5つのディシプリン(行動原則)とは何でしょう?
Q3.チーム学習を促進する3つのリーダー行動とは何でしょう?

 

ところで、年内のゼミも残り2回となりました。年内最後の12/22のゼミでは、クリスマス直前ということで、プレゼント交換会が行われるそうです。既にプレゼントを渡す相手は決まっているので、後は何を渡すか考えて入手するだけです。そして、私は一体誰からプレゼントを貰うことになるのでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。

 


 

クイズの解答と解説

Q1.アンラーニング(学習棄却),ルーティンを変える,パラダイムを変える,ナレッジを創造する
長期的な適応のために、組織およびその成員の行動を変容することと一般に定義される組織学習の実現方法には、4つの基本的な考え方があります。アンラーニング(学習棄却)は、これまでの考え方を捨て、新しいものを学ぶことであり、不完全学習を回避する効果があります。ルーティン(組織内のルール・手続き・文化・行動様式)を変えることもあります。パラダイム(考え方の前提となる価値観・規範・共通理解)を変えることは、組織変革を実現する際などに重要な役割を持っています。ナレッジ(知識)の獲得を組織が学習するやり方としてあげる研究も多く存在します。

Q2.システム思考,自己練達,メンタル・モデルの理解,共有ビジョン,チーム学習
具体的な方法に着目する「学習する組織」の考え方では、個人・チーム・組織の3つのレベルで学習活動が行われますが、その達成には5つのディシプリン(行動原則)を習得する必要があります。システム思考は、物事の相互関係の中で行き詰まっている部分と阻害する要因を見つけて、その解決策を見出すことです。自己練達は、仕事のみならず人生全体を豊かにするために自己を高めることです。メンタル・モデルの理解は、世界をどのように理解しているかということです。共有ビジョンは、学習の焦点を絞り、エネルギーを生み出す効果があります。チーム学習は、チームの能力の方向性を揃えて、伸ばしていくことです。

Q3.近寄りやすい環境を作る,意見を積極的に求める,みずから「誰にでも間違いはある」ことを示す
学習が早いチームには、心理的な安心感(心理的安全性)が根付いていることが一般に指摘されています。これを根付かせて、チーム学習を促進するためには、リーダーが3つの行動をとるべきだと考えられています。1つ目は、チームメンバーがリーダーに対して気軽に近寄りやすい環境を作ることです。2つ目は、リーダーがメンバーの意見を積極的に求めることにより、情報共有の精神を強化することです。3つ目は、リーダーが自分の間違いをメンバーに認めることで、学習に適した環境を助長し、非難を恐れずに間違いや疑問を率直に話すことが出来るようにすることです。しかしながら、これら3つの行動は、チームメンバーに対してリーダーが頼りない人物であるという印象を抱かせる可能性があり、リーダーの行動としては十分ではないと考えられることもあります。これら3つの行動に加えて、チーム学習を促進するためにリーダーがどのような行動をとるべきか、どのような資質を備えるべきか、考えてみてください。良かったらコメント欄にご意見をお寄せください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です